Archive for 2月, 2012

PostHeaderIcon 右足前捕球の時代が到来

 アメリカのレジースミスベースボール本社で従事した2002年当時、守備に関する野球指導を非常にユニークな方法へ変更した時期がありました。それが右足前捕球です。当時の野球指導の常識では右利きは左足前で捕球することが伝統的な野球指導でした。しかし、メジャーリーグで名手と呼ばれる遊撃手や二塁手のラテンアメリカの選手達が右足を左足よりも前に出して捕球している光景が多くなりました。そんな中、スミスが現役時代のマーシャルアーツ<総合格闘技>の師匠とニューヨークで会談した時に、「人間が普通に歩く時は左手を前に振った時には右足が交互に出てくるから、グラブを左手にしている選手がゴロを捕球する時は間違いなく右足が前の方がバランスが良い」という言葉にヒントを受けて「明日から右足前捕球で指導をする」と言われました。はじめてそれを聞いた私は「まさか!?」と思いましたが、スミスからその指導方法のレクチャーを受けて実践してみたところ、ゴロを捕球しやすくなりました。

 それでは下記の映像をご覧下さい。青のユニフォームがシカゴ・カブスのカストロ遊撃手21歳<ドミニカ共和国出身>赤のユニフォームがボストン・レッドソックスのイグレシアス遊撃手22歳<キューバ出身>です。

 この映像からも分かるように、ほとんどのゴロを右足前で捕球していることが分かります。それではそのメリットを解説します。
①バランスの良いフォームを維持できるために安定感があり、左腕の操作がしやすくなる。
②グラブ側の足が後ろにあることでグラブ操作をするスペースを十分に確保できる。
③ハーフバウンドに対してグラブを引いて捕球することで、ハーフバウンドから大きなバウンドに変えることができる。
④捕球後にすでに一塁方向にベクトル<力の向いている方向>が向いている。

 ラテンアメリカの選手達は貧しい環境で育っているために、グラブはダンボールの切れ端を利用し、グランドはデコボコで石だらけという環境でプレーすることでこうした技術が身についたと言われています。カストロ選手とイグレシアス選手のように若い世代の選手が見事に右足前で捕球をする姿を見ると、とうとうその時代が来たのではないかと思います。右足前捕球の指導を始めてから10年が経過し、改めて時代がやっと追いついて来てくれているのではないかと思います。

 

PostHeaderIcon 小学生にメジャーリーガーと同じ動作ができるのか?

上の見出しの答えは「 Yes ! 」 頻繁に少年野球指導者から質問されることの一つに「メジャーリーガーと日本の小学生が同じを基本で良いのか?」と問われることがございます。確かにパワーのあるメジャーリーガーだからできる技もございます。しかし、基本的な動作を身につけること自体には何も変わりはありません。仮にもし、日本人が身体能力的にアメリカ人よりも劣っているのであるとすれば、尚さら理にかなった動作を身につけなければ太刀打ちできません。
それでは下記に福島クラスの小学生5年生の生徒とメジャーリーグの最高の投手二人を比較してみます。

前回のブログで肘や肩を故障しないための投げ方で各筋肉を連動させながら投げるリンケージシステムを紹介しました。その投げ方を実際に小学5年生でも実践しています。彼は今まではチームでは右翼手で8番打者でした。しかし、昨年の11月半ばからの今年の2月までの約3ヶ月でこの投げ方を身に付けたことで、投手として初めて今年の春からスタートしました。股関節の柔軟性が素晴らしく広いストライドを取りながら、上半身をしならせて胸郭から投げていることが分かります。

メジャー屈指の左腕、クリフ・リー投手との比較映像です。リー投手と言えば上体を倒してテコの作用を十分に使って投げる動作が特徴です。後ろ足が上がったところにイエローの丸が示すのがつま先が最も高く上がった位置です。ここの位置はリー投手と同様にボールを離したリリースポイントの高さとほぼ同じ位置になっています。それだけ上体を倒せれば必然的に腕の振り幅が深くなり、さらにテコの作用を効かせた投げ方になり、体幹の筋肉を使った強い力を発揮することができます。また、さらにこの生徒の前足の膝も外に逃げることなく見事に重心を前足一本で支えていることが分かります。この辺は3ヶ月間の投球指導だけできるものではなく、先天的に持っている投手としての資質だと思います。

以上の映像でもわかるようにメジャーリーガーよりもはるかに筋量の少ない小学5年生でも、正しい動作を身につけることで故障を防ぎ、そして素晴らしい球威と制球力を身につけることを可能にしています。約3ヶ月での飛躍的な技術向上をしてくれた生徒に感謝をすると共にライトで8番打者のライパチ君からエースピッチャーへのドラマのお手伝いができればと思います。子供の潜在能力の凄さを彼に教えて貰いました。

PostHeaderIcon 肘や肩の故障を防ぐ:リンケージシステム

前回のニュースではあまりにも肘の故障を多い少年野球の現状を見て、故障の原因等を解説致しました。それでは今回は肘や肩の故障を防ぐ投球動作のリンケージシステムで投げる投手の映像を紹介致します。その投手はペドロ・マルチネス投手です。ルーキーとしてロサンゼルス・ドジャースに入団、投球メカニズムや投球術を学び生涯勝利数219勝、防御率2.93そしてサイ・ヤング賞を3回獲得した1990年代から2000年代の最高の投手です。投手としては非常に細身で身長180cmに満たない体で全盛期には160キロ近いボールを投げる姿はたくさんのファンの心にインパクトを与えました。それが下記の映像です。

リンケージシステムとはロサンゼルス・ドジャースのチームドクターでトミー・ジョン手術を発明したドクタージョーブ氏の研究結果から生まれた投球方法です。投球時に上半身をチェーンのように胸郭→肩→肘→手首の順で連動させながら動かすことでしなりを作り、各靭帯や筋肉に掛かる圧力を分散しながら腕を振る動作です。

 マルチネス投手の動作で最も素晴らしところは並進運動をしながらアーリーコッキングからアクセレレーションまでの動作の中でボールを後ろから前へと胸郭から引っ張るように投げているところです。広く柔軟性のある肩関節の可動範囲を存分に利用し、肘に掛かる負担を少なくしながらボールを投げていることが分かります。肘を故障する選手の動作に多く見られるのがアクセレレーション時に肘が胸よりも前に出てしまう動作です。胸よりも肘が前に出てしまうことで肘への負担が大きくなり故障の大きな原因となります。

 少年野球時代に故障した古傷は練習量の増える高校時代に表れることが多々あります。どうか未来ある野球少年には故障をしない正しい投げ方の基本を学んで欲しいと思います。

PostHeaderIcon 投手編 : 肘の故障の原因について

 弊社の少年野球指導の中でも最も重要なことは怪我をしない正しい投げ方を教えることだと考えております。しかし、現在の少年野球の現状は見ていると小学生時に肘を故障して中学生で手術を受けている選手が多く見受けられます。原因は投げ過ぎや、正しい投げ方をしていないために肘を故障している傾向が多く見受けられます。
 それでは下記の映像を見て頂きたいと思います。プライアー投手とリンスカム投手の腕の振りを線で追った比較映像です。

左側映像のプライアー投手がメジャー昇格後一年目に18勝6敗でサイ・ヤング賞の3位候補となりました。しかし当時この時期の映像をスミスが見て「2,3年で肘を壊して、長くは投げられない」と話していたことを鮮明に覚えています。その時は私もスミスのアシスタントを始めたばかりでしたので「まさか?」と思いました。その3年後にスミスの予想通りの結果となり、メジャーリーグの舞台から姿を消しました。スミス曰く、「大学時代は試合数が少ないからこの投げ方でシーズンを終えることができる。しかしメジャーリーグの164試合にポストシーズンに出場したら、あの投げ方では壊してしまう。」
 それに対して右側映像のリンスカム投手は投げ方がユニーク過ぎて肩を壊すリスクがあるとシアトル・マリナーズのGMがドラフトで指名せずにサンフランシスコ・ジャイアンツがドラフトで指名しました。その後、メジャーリーグ屈指の投手へと成長し2年連続でサイ・ヤング賞を獲得しました。
 皆さんにこの映像でお伝えしたいことは、左のプライアー投手は耳の近くにボールを近づけて肘から前にボールを押し出していることが分かります。それに対しリンスカム投手は腕を大きく振り胸→肩→肘→手首と順番にリンクさせて各関節や靭帯に掛かる圧力を逃がし、全身でテコの力を使いながら投げていることが分かります。肘を深く曲げ、肘で押し出すように投げることで肘の内側にある内側側副靱帯<参照①>が引っ張られてしまい、さらに過度の圧力が掛かるために故障の原因につながります。皆さんへのアドバイスとしては各自の持つ肘の自然な角度<キャリーアングル>を維持しながら大きく投げることでこれらの故障は防げると確信しております。どうか正しい指導方法がたくさんの子供達に伝わることを心から祈っております。
参照① 内側側副靱帯とは?

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