小学生にメジャーリーガーと同じ動作ができるのか?

上の見出しの答えは「 Yes ! 」 頻繁に少年野球指導者から質問されることの一つに「メジャーリーガーと日本の小学生が同じを基本で良いのか?」と問われることがございます。確かにパワーのあるメジャーリーガーだからできる技もございます。しかし、基本的な動作を身につけること自体には何も変わりはありません。仮にもし、日本人が身体能力的にアメリカ人よりも劣っているのであるとすれば、尚さら理にかなった動作を身につけなければ太刀打ちできません。
それでは下記に福島クラスの小学生5年生の生徒とメジャーリーグの最高の投手二人を比較してみます。

前回のブログで肘や肩を故障しないための投げ方で各筋肉を連動させながら投げるリンケージシステムを紹介しました。その投げ方を実際に小学5年生でも実践しています。彼は今まではチームでは右翼手で8番打者でした。しかし、昨年の11月半ばからの今年の2月までの約3ヶ月でこの投げ方を身に付けたことで、投手として初めて今年の春からスタートしました。股関節の柔軟性が素晴らしく広いストライドを取りながら、上半身をしならせて胸郭から投げていることが分かります。

メジャー屈指の左腕、クリフ・リー投手との比較映像です。リー投手と言えば上体を倒してテコの作用を十分に使って投げる動作が特徴です。後ろ足が上がったところにイエローの丸が示すのがつま先が最も高く上がった位置です。ここの位置はリー投手と同様にボールを離したリリースポイントの高さとほぼ同じ位置になっています。それだけ上体を倒せれば必然的に腕の振り幅が深くなり、さらにテコの作用を効かせた投げ方になり、体幹の筋肉を使った強い力を発揮することができます。また、さらにこの生徒の前足の膝も外に逃げることなく見事に重心を前足一本で支えていることが分かります。この辺は3ヶ月間の投球指導だけできるものではなく、先天的に持っている投手としての資質だと思います。

以上の映像でもわかるようにメジャーリーガーよりもはるかに筋量の少ない小学5年生でも、正しい動作を身につけることで故障を防ぎ、そして素晴らしい球威と制球力を身につけることを可能にしています。約3ヶ月での飛躍的な技術向上をしてくれた生徒に感謝をすると共にライトで8番打者のライパチ君からエースピッチャーへのドラマのお手伝いができればと思います。子供の潜在能力の凄さを彼に教えて貰いました。