スポーツ指導における体罰について。

 先日、指導者による度重なる体罰を苦に、自殺をしてしまった大阪府の高校バスケットボール部のキャプテンについて連日報道をされています。
体罰を与えた指導者はチームを強くするには仕方のないことであったと話すように、一人の未来ある尊い命を奪ってしまったにも関わらず、全く反省の気持ちを感じることのできないコメントが発表されました。このコメントを聞いて指導者として明らかな間違いがあると私は思います。まず、命よりも大切なものはないと思うからです。勝利至上主義に走ることが人間の考え方までおかしくさせてしまうのではないかと思いました。
 
 これらの考えは少年野球界にも多々あることで、いつこのような事態が少年野球界に起きても全く不思議ではないと私は思っております。高校野球界は体罰を高野連で徹底的に禁止をしていますが、少年野球界の場合は特に徹底していないために酷い体罰が公衆の場で行われています。また、少年野球の指導者も許されていると勘違いしている方々が多いことも現状だと思います。

 私がアメリカで野球指導をしていた時に罵声や体罰は絶対に禁止という中でやってきました。そのために何度も何度も同じをことを悟すように繰り返し指導をするしかありません。しかし、子供達は何度も何度も指導者に同じことを言われるうちに自然にそれを理解をしてくれます。要するに指導者となる人には忍耐力という我慢が必要だと思いました。どれだけ素晴らしい指導方法ができてもこの我慢ができなければこれからの時代は指導者として選手を育成することはできないと思います。体罰がなければ勝てない、または体罰がなければ選手は言うことを聞かないというのは指導者の逃げであると思います。また、仮に体罰によって選手が言うことを聞いたとしてもそれはただ単に体罰が怖いから仕方なくやっているだけであり、そのことを理解した上で行なっている訳ではないと思うからです。それではいつまでたっても自分の頭で考えることができないので、選手は成長をすることができません。

 どうかこのような事態が二度と起きることがないようにスポーツ界全体で深刻に考えていかなくてはいけないと思います。