スローイング指導の基本 青年海外協力隊

 今回は青年海外協力隊としてニカラグアの野球指導をすることになる阿部翔太くん<25歳>桜美林大学硬式野球部卒のビフォアフターの映像を紹介します。ジャイアンアカデミー副校長の倉俣徹氏の紹介でにより、レジースミスベースボール:ジャパンの指導方法をニカラグアに渡航する前に学ぶ目的で指導方法を学びながら自分でもその動作ができるように実践しています。

 阿部さん自身、小学生の時に野球を始めて以来、一度もスローイング指導を受けたことがないということでした。そのために中学時代に肘を故障して試合に出ることが出来なかった辛い経験がありました。野球指導の中でも最も重要とされるスローイングは正しい送球方法を習得しないと怪我につながります。さらにボールを強く正確に投げるには正しい理論がなければどんなに練習をして向上することができません。それでは下記の映像をご覧ください。

技術向上したポイント

①リンケージシステム・・・ビフォア<左>では肘が胸の前より先に出てしまい、胸郭のしなりが使えないために肘から先だけで投げていることが分かります。これが肘を故障する大きな原因と言えます。胸郭⇒肩⇒肘⇒手首の順でリンクさせながら投げることで間接に掛かる圧力を分散して故障を防ぎます。
②パワーアーム・・・グラブ側の腕<パワーアーム>と呼びます。ビフォアではグラブ側の腕で体の回転を止めてしまうために、肘だけが前に押し出される傾向が強くなります。これも肘の故障の大きな原因となります。さらに、グラブを上から下に強く引くように使うことで、テコが使えるようになり、グラブ側の腕と連動して利き腕に力が伝わりやすくなります。
③リリース・・・ビフォアでは手首が寝てしまい、パイスローになっています。それにより、腕の力だけに頼った投げ方になっています。アフターではリリースポイントを高くすることで肩と広背筋を使うことで、大きな力を発揮できるようになりました。
④パワーライン・・・特に軸足を最後まで回転して投げることで股関節、右肩がターゲットに向けて一直線になります。この動作によりベクトル<力の方向>がすべて向かうようになります。

 ニカラグアの選手達にメジャー流の正しい野球指導が伝わることを楽しみにしております。