肘や肩の故障をする原因

 先日、肩を故障からやっと復帰したばかりの小学5年生のレッスンを行いました。レッスン前に今まで通りの投げ方で投げてもらいましたが、やはり肩や肘を故障する原因となる動作がありました。その子のお父さんにチームのスローイングに関する指導方針を聞くと、一つ目が肘からボールを投げてること、2つめはグラブを体の前で止めることなどでした。
恐らく大半の少年野球指導者がそのような指導をしていると思います。しかし、その子が実際に故障をしたように弊社ではその指導方法が良いとは思いません。先日、松坂投手も肘の軽い故障で試合を降板した試合がありました。松坂投手も意図的にグラブ側の腕で体の回転を止めるように投げています。恐らく制球力を高めることが狙いだと思います。しかし、非常に鋭い腕の振りを急にグラブ側の腕で止めるとそれを同時に右肩もストップします。それによって肘だけが前に出る動作が出てくるために肘への負担が大きくなります。そして、さらに体の回転を止めることで肩の関節が引っ張られるのでルーズショルダーという肩関節が何度もこの動作を繰り返すと次第に緩くなることで故障の原因となります。
 
上の映像がリベラ投手と松坂投手との1塁側からの比較映像です。この映像から見ても分かるようにリベラ投手は左側の腕を後ろまで深く引くので重心も低くなり、肩に掛かる圧力を大腿四頭筋で吸収することができます。さらにボールをリリースした後も少しずつ腕の振りを少しずつ減速することで肩に掛かる圧力を逃がしているのが分かります。
 
 小学生や中学生で肩や肘を故障する選手のほとんどの原因は投げ過ぎ、もしくは間違った投げ方をしているケースがほとんどではないかと思っています。
どうか理にかなった正しい動作の野球指導をして欲しいと思います。