少年野球の指導方法のモットー KISS (Keep It Simple Stupid) 「愚直なほどに簡潔に」

 特に少年野球指導での弊社の指導方針はKISS(Keep It Simple Stupid>とい言葉がベースになっております。この言葉はハンバーガーのマクドナルド社の創業時のモットーです。
「愚直なほどに簡潔に」です。メニューはハンバーガーとチーズバーガーの2種類にフレンチフライ、シェイク、おまけにチップなしの明朗会計など、シンプルなシステムで人気を得ました。
 これらを野球指導に例えると、簡単に分かり易く少ない言葉で教えることになります。
特に小さい子にたくさんの説明することで余計に混乱し、最終的に何を習ったのかも忘れてしまいます。
私もスタッフとして働き始めた当初は、覚えたことをたくさん選手に伝えていましたが、最終的に何一つマスターできずに30分のレッスンを終了するようなことが多くありました。
スミスの子供に対する野球指導は非常にシンプルです。Pivot Turn(ピボット ターン)軸足回転です。
これがとにかくできるようになるまで、「ピボット、ピボット」と連呼しながらレッスンを進めて行きます。それができない限りは次には絶対に進みません。しかし、それができた瞬間に3,4つの付随して良い動きが必然的に身に付くのです。
 私にはこういう経験があります。中学生の時に元プロ野球選手に指導して頂きました。その理論はダウンスイングでした。ある時に試合でそのダウンスイングを実践して打席で打ったいたら、その元プロ野球選手に「その打ち方ではダメだ!」と言われました。その理由は「練習ではダウンスイングで試合ではダウンスイングの感覚でレベルスイングで打つんだ」と。とても子供だった私には理解できませんでした。
2000年に王監督の元で通訳者としていっしょに働く機会を得ることができました。そこで同じ質問を
したところ、やはり答えは「実際の打席ではダウンスイングで打つ訳ではないんだ、でもその感覚でスイングするんだ」という答えでした。
スミス曰く、「野球指導で大切なことは選手それぞれの感覚が違うので、感覚を人に教えることはできない。大切なことは感覚を教えるよりも正しい情報を伝えてあげる事とその選手に合った指導をしてあげること」と話していました。
この辺の考えの違いは西洋人と東洋人の文化の違いにもよるところはあると思います。
しかし一つだけ正しい事はあります。子供にとって分かり易く教えることだと思います。
いろいろな理論があっても勿論良いのです。しかしこのことだけは指導者の方に理解して頂きたい部分だと思っております。