日本の守備練習では、今も昔も「両手で捕れ」「左足を前にして捕れ」という指導が基本とされています。
これは、形を揃え、安定した捕球を目指すという日本野球の文化そのものです。
しかし、メジャーリーグではその“常識”が大きく変わっています。
その象徴ともいえるのが、アストロズのカルロス・コレア選手。
彼の守備を見れば一目で分かるように、彼は「右足を前に出し、片手で捕る」という、まさに日本式の真逆ともいえるスタイルを採用しています。
この動きがどれほど合理的で、そして“進化した守備”であるかを理解することが、今の時代の内野守備を考える上で欠かせません。
■ 「右足前・片手捕球」の本当の意味
右足を前に出すことで、左足の前に自然なスペースが生まれます。
このスペースがあることで、グラブの可動域が増えます。それによってグラブを前に出すことや、引いて捕球することでハーフバウンドを防ぐことを可能にします。
そしてもうひとつの特徴が「片手捕球」です。
両手で捕ると、グラブの可動域が狭くなり、ハーフバウンドなど微妙な打球への対応が遅れます。
一方、片手捕球では、グラブの動きを自由に使い、ボールの勢いを殺す“キル・スポット”での感覚を磨くことができます。
特にメジャーのような速い打球では、両手で取りにいくと送球側の手が危険にさらされることもあり、安全面でも片手捕球は理にかなっているのです。
■ 人間本来の動きを活かした守備
コレア選手の動きを観察すると、無理のない自然な体の流れがあります。
右足を前に出すことで、上半身の回旋やスローイング動作への移行がスムーズになり、
次の動作へ“止まらずに繋げる”ことができます。
これは人間の身体構造に基づいた動きであり、レジー・スミス理論にも共通しています。
つまり、フォームを形で覚えるのではなく、身体の構造を理解して動きを設計する。
この考え方こそ、メジャーで活躍する選手たちの共通点なのです。
■ 日本の「型」からの脱却
日本の野球指導は、長年“型”を重視してきました。
もちろん、型を学ぶこと自体は悪くありません。
しかし、それが目的になってしまうと、プレーの自由度が失われてしまいます。
コレア選手のように、状況に応じて角度を変え、
右足を前に出して流れの中で捕球するスタイルは、
「結果から逆算して最も効率的な動き」を追求した形です。
つまり、“見た目の正しさ”ではなく“機能の正しさ”を求めた結果なのです。
この違いこそが、日本とアメリカの守備文化を分ける最大の要素と言えるでしょう。
これからの日本野球がさらにレベルアップしていくためには、
この発想の転換が必要不可欠です。
■ 守備練習を変える「ベール・トレーニンググラブ」
こうした片手捕球の感覚を磨くために最適なのが、
メジャーリーグでも使用されている ベール・トレーニンググラブ です。
小型の平グラブを使うことで、ボールを“掴む”感覚ではなく、“当てて止める”感覚を養うことができます。
日本でもこのトレーニンググラブを導入する選手が増えていますが、
まだ本格的に普及しているとは言えません。
RHK Trading Inc. では、実際にメジャーリーガーも使用している本物のベールグラブを正規販売しています。
守備技術を本気で高めたい選手にこそ、一度試してほしいギアです。
■ 来月スタート「レジースミスオンラインアカデミー 守備編」
来月からは、オンラインで学べる レジースミスオンラインアカデミー 守備編 がいよいよスタートします。
このプログラムでは、メジャー流の合理的な守備動作を、動画と解説で体系的に学べます。
すでに投球・打撃・トレーニング編は公開中で、多くの選手がフォーム改善の成果を実感しています。
コレア選手のような「流れの中でプレーする守備」を目指す方は、
ぜひこの機会に理論と動作のつながりを体感してみてください。
学ぶべきは“形”ではなく、“仕組み”です。
■まとめ
カルロス・コレア選手の「右足前・片手捕球」は、
単なるスタイルの違いではなく、野球の本質に迫る守備哲学です。
型を超え、身体の構造を理解して動く。
その一歩が、あなたの守備を次のステージへ導くはずです。