メジャー流 :試合で結果を出す考え方② 

 それでは前回のテーマに続いて第2弾、試合で結果を出す考え方をお伝えします。
前回の時にも説明しましたが、試合にはたくさんのプレッシャーと集中力を妨げる妨害要素があります。
その例を下記に記します。
①失敗に対する恐怖心。<例>エラーをしたら外されるのでは?
②良い結果を望む焦る気持ち。<例>ヒットを打たなくては!
③気合が入り過ぎて力んでしまう。<例>何がなんでも打たなくては!
④誰かに見られていることに対しての過剰な意識。<例>みんなに良いところを見せなくては!

 以上の潜在的に持つ意識を頭から削除する方法

① Thought Stopping <思考停止>
 その瞬間に考えることを止めるということを意味します。日米問わず最近では「あの選手はゾーンに入ってる」という表現を耳にします。このゾーンという意味は完全に自分の集中力が最高潮に達しているために、素晴らし結果に結びついていることを意味します。打者であれば「ボールが大きく見える」や、投手であれば「キャッチャーミットが近く感じる」など、余計なことを気にせずにそのことだけに集中するようになると、このような現象が現れます。
 これは禅の世界の無になるという状態となります。

② Self talk <自分に言い聞かせる>
 自分自身のプレッシャーを感じさせないために、「この試合はいつもと同じ普通の試合だ!」と自分に言い聞かせる。
下記の映像がいつも大きな舞台で素晴らしい投球を見せるボストン・レッドソックスのジョシュ・ベケット投手が2003年のワールドシリーズで強豪ニューヨーク・ヤンキースを相手にメジャー昇格3年目でフロリダ・マーリンズ時代にワールドシリーズチャンピオン、そしてMVPになった時のインタビューです。自分自身に掛かるプレッシャーを感じないように「相手はどのチームでもどの打者でも関係ない、18.44メートルの距離をマウンドから思い切り最高のボールを投げるだけだ。そしてこの試合は普通の試合と同じ試合なんだ。」と自分に言い聞かせて暗示を掛けているのが分かります。

③ Breathing<深呼吸>
 深呼吸をすることで酸素を取り入れ呼吸を整える。そのことで心拍数が安定することで落ち付いた精神状態に戻ることができる。また、特に投手の場合は一球一球をリセットしながら投球をすることができる。

 これらの内容を見ても分かるように、いかにプレッシャーを感じることなく、普段と同じ平常心でプレーできるかが大きなポイントだということがわかります。ご父兄のできる大きな役割は自分のお子さんがいつもの力を発揮できるように、プレッシャーを感じさせない前向きな言葉を掛けてあげることが最も大事なことだと思います。

 それではこれからのシーズンで活躍できることを心から楽しみにしております。