メジャー流: 守備編 バックハンド捕球

 メジャーリーグと日本のプロ野球の試合を見比べてみるとパワーやスピードなどの面でも日本プロ野球は大きく進化を遂げています。また、食生活の欧米化やトレーニング方法の進化、サプリメントの普及で日本人選手もかなり体力的にメジャーに追いついてきているのではないかと思います。
 しかし、一つなかなか追いつけないのが守備力。日本では強肩の遊撃手が鳴り物入りでメジャーと契約した翌年にはセカンドへコンバートをされることが数多く見受けられます。
その原因には肩の強さによる身体的な能力も多少あると思いますが、守備に対する考え方に大きな違いがあります。特に三遊間のゴロ捕球に関してです。先日、シアトル・マリナーズのジャック・ウィルソン2塁手が「日本の選手は基本に忠実過ぎるあまりに三遊間のゴロを正面で捕球する。そのために一塁でセーフにし内野安打にしてしまう。」また、ウィルソン選手は「バックハンドは必要不可欠なプレー。回り込んで正面で捕球したら勢いが止まらず送球してもよっぽど強肩でない限り一塁が間に合わない。しかし、バックハンドなら捕球時にすでに送球しやすい体勢なので送球が早い。」

 それではどのようにすればバックハンドの打球を正確に捕球できるか?ということになります。
コツは顔をできる限り真っ直ぐに静止した状態で捕球することがポイントです。顔が横に傾くことで距離感を失い正確にボールを見ることができません。
打撃でも同じ理論になりますが、人間の脳は正方形の中でしか正確に距離感をつかむことができないと言われています。
 現在でも少年野球から高校生への指導方法を見ているとなぜかバックハンド捕球が悪い動作のように指導者が注意しています。しかし、正しいバックハンドの捕球方法を熟知している指導者は非常に少ないのが現状ではないかと思います。どうか、日本野球の発展のためにも是非、正しいバックハンドの捕球方法を指導して欲しいと願っております。